個人再生を利用して自宅(持ち家)を残す

個人再生を利用して自宅(持ち家)を残す

オーバーローンの場合

  • 個人再生手続きでは、一定の条件をクリアすれば住宅を残してもよい、と特別に認められています。これが、破産と比べた場合の、個人再生の最大のメリットです。
  • 他の借金は圧縮されるのに、住宅ローンだけは特別扱い、ということになりますが、その分、条件が厳しいことをご認識していただく必要があります。

この条件は、正確な理解が難しいため(下記には大まかに大事なものを列挙しております)、間違った理解をされて、後戻りができなくなる可能性もあります。そのため、住宅を残したまま借金整理をしたい、という方は、ご自身で判断するのではなく、お早めに弁護士にご相談いただき、条件を満たせるか、を判定してもらうことをお勧めします。

オーバーローンとは?

自宅の価値が残ローンよりも低い場合、つまり自宅を売却しても住宅ローンが残る状態。たとえば住宅ローンが1200万円残っているけれども、自宅を売却しても1,000万円にしかならず、住宅を売却してもまだローンが残る場合をいいます。

主な条件

  • 個人再生の利用条件を満たしていること 利用条件を満たしていれば、個人事業者も利用できます。
  • 住宅に住宅ローン・リフォームローン以外の抵当権がついていないこと 別の目的の借金のための抵当権がついていたり、税金の滞納で差し押さえをされている場合には、この制度は使えません。
  • 住宅ローンを含めた返済ができる収入があること 住宅ローン以外の債務は大幅にカットされますが、住宅ローンはカットされません。ですので、住宅ローン以外の部分の負担は相当軽くなりますが、住宅ローン自体の負担は変わりません。その条件で返済を続けていけないのであれば、個人再生手続きを使っても住宅を残すことは認められません。
  • 住宅ローンの長期滞納がないこと(保証会社による代位弁済がなされていないこと) できれば滞納する前にご相談に来ていただきいのですが、現実には、数ヶ月滞納されてから相談にいらっしゃる方は珍しくありません。代位弁済がされてから6か月以内に個人再生手続の申し立てをした場合に限り、救済される制度にはなっていますが、滞納期間が長くなるほど、対応が難しくなりますので、お早めにご相談にいらしてください。

オーバーローンではない場合

次に「自宅の価値」が、「住宅ローンの残高」よりも大きい場合については、「住宅の資産価値」(価値-住宅ローンの残高)によって、オーバーローンと変わらない場合もありますし、オーバーローンよりも返済条件が厳しくなる場合があります。

詳しい説明は、ここでは省かせていただきますが、「住宅の資産価値」が高ければ高いほど(住宅ローンの返済間近など)、債権者への弁済額(返済プラン)は高くなる、という関係にあります。

つまり、「住宅の資産価値」が低い場合(住宅ローンの残高と住宅の価値が近い場合)には個人再生を利用しやすいですが、「住宅の資産価値」の方が高い場合、個人再生を利用して住宅を残すことが難しい場合がある、ということです。そのような場合には、任意整理による返済を行っていくことを検討しなければならないでしょう。

最後に、個人再生の条件は非常に複雑で、専門的な知識や経験がないと、確実な判断はできません。また、個人再生手続を弁護士に依頼しないで行うことは困難ですので、特に住宅をお持ちで債務整理を検討している方は、お早めに弁護士にご相談ください。

個人再生手続の費用

個人再生手続の費用当事務所では、相談料は無料です。

ご依頼の際は、無理のない範囲での分割払いが可能です。個人再生手続きは33万円となり、住宅を保有することを目的とする場合は11万円を加算させていただきます(実費別)。

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